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「賭け麻雀」は違法? 適用される罪や罰則、逮捕された場合の流れを解説

2021年06月10日
  • 財産事件
  • 賭け麻雀
  • 違法
「賭け麻雀」は違法? 適用される罪や罰則、逮捕された場合の流れを解説

「麻雀(マージャン)」に対してあまりよくないイメージを抱く方は少なくありません。
麻雀業のイメージ改善や健全な営業を目指す団体「全国麻雀業組合総連合会」は全国に支部を置いており、藤沢市・鎌倉市を中心とした湘南地区には令和3年4月時点で9店が加盟しています。

麻雀には、金銭を賭けて勝敗を争う「賭け麻雀」がつきものです。金銭を賭けるからこそ勝負に熱中できる、金銭を賭けていない麻雀は面白くないと感じる麻雀愛好者も多いでしょう。
ところがご存じのとおり、令和2年には有名な検察庁幹部が新聞記者らと賭け麻雀に興じたことで、マスコミで大々的に報道され、とうとう刑事告発を受ける事件が発生し、大きな問題になっています。

このコラムでは、賭け麻雀について「どこからが犯罪になるのか」と不安を感じている方のために、刑法の「賭博罪」の概要や罰則、逮捕されるケースや逮捕後の流れなどを、湘南藤沢オフィスの弁護士が解説します。

1、賭博罪とは? 賭博罪の種類や成立する要件

賭博とは、偶然の勝負に関して財物や財産上の利益を賭けてその得喪を争うことと定義されておおり、社会の風俗を害する行為として厳しく禁じられています。
賭博に関する罪は、刑法第23章の「賭博及び富くじに関する罪」に規定されています。

  1. (1)賭博罪(単純賭博罪)

    刑法第185条は「賭博をした者」について賭博罪が成立する旨を定めています。
    同条の賭博罪を、ほかの類型と区別するために「単純賭博罪」とも呼びます。

    賭博罪は「賭博をする」ことで成立するため、いわゆる胴元(主催者)だけでなく、賭博の参加者はすべて処罰の対象です

    なお、ここでいう賭博とは、法律で認められていない賭けごとの全般が含まれ、競馬・競輪・ボートレース・オートレースはそれぞれを適法とする法律が定められており、またパチンコは(後述の)「一時の娯楽に供する物」を賭けるだけなので適法だと説明されています。(なお宝くじやトトは、賭博罪ではなく富くじ罪との関係が問題となりますが、これらも個別の法律により適法とされているのはご存じのとおりです。)
    ただし、これらは適正な運用・検査のもとに実施されてこそ認められるものなので、たとえば競馬に独自のオッズを設けて投票を募る行為や、いわゆる「甲子園くじ」は賭博罪の成立を免れません。

    もちろん、法外なレートでゲームがおこなわれる、いわゆる「違法カジノ」のほか、施設内の端末で海外オンラインカジノを提供する「カジノカフェ」「インカジ(インターネットカジノ)」といった形態も違法です
    これらの参加者や利用客は、一斉摘発を受ければ逮捕されるおそれが高いでしょう。
    ちなみに国外での賭博行為は処罰されないので、ラスベガスやマカオなどのカジノで賭博をする行為は問題となりません。

  2. (2)常習賭博罪

    刑法第186条1項は、常習として賭博をした者について「常習賭博罪」で罰することを定めています。

    ここでいう「常習」とは「反復累行する習癖が存在すること」という意味です。
    たとえ過去に賭博罪の前科・前歴がない場合でも、日ごろから賭博に興じる習癖があれば常習とみなされるでしょう

  3. (3)賭博場開帳等図利罪

    賭博の運営者、いわゆる「胴元」にあたる者には、刑法第186条2項の「賭博場開張等図利罪」で罰せられます。

    • 賭博場を開帳して利益を図った者
    • 博徒を結合して利益を図った者


    これらのいずれかに該当すれば成立する犯罪であり、賭博行為そのものに参加していなくても処罰の対象です。
    また「賭博場」としてカジノなどの場所を提供した場合にも限定されず、たとえば電話などで客から申し込みを受けて賞金を配当する行為や、携帯電話のアプリを利用して参加者に情報提供をしたり申込みを受ける行為も処罰されます。

2、賭博罪の罰則

賭博に関する罪は、類型に応じて罰則が変化します。
賭博罪の各類型別の罰則は次のとおりです。

  • 賭博罪(単純賭博罪)……50万円以下の懲役または科料
  • 常習賭博罪……3年以下の懲役
  • 賭博場開張等図利罪……3か月以上5年以下の懲役


単純賭博罪に規定されている「科料」とは、1000円以上1万円未満の金銭徴収の刑をいいます。
つまり、単純賭博罪が成立した場合の刑罰は罰金・科料といった財産刑のみです。

一方で、常習賭博罪・賭博場開帳等図利罪の刑罰は懲役しか規定されていません。
有罪となれば確実に懲役が下されるという点では、非常に罪が重い犯罪だといえるでしょう。

3、「賭け麻雀」は罪に問われるのか?

賭博罪の規定を見る限り、ゲームに金銭を賭ける行為は「賭博」にあたります。
すると、当然のように点数を金銭に換算する「賭け麻雀」も、やはり賭博にあたって罪に問われるのでしょうか?

  1. (1)賭博は原則として違法

    賭博罪は「賭博」行為を処罰の対象としており、賭け麻雀は原則として違法です
    刑法の規定上は、賭博の形態について明示されていません。
    多用の技量が差を生むとしても、麻雀という偶然の勝負に対して金銭を賭ける行為は賭博にあたるため、賭博罪の成立は避けられないでしょう。現実問題として賭け麻雀を行う人はほとんど処罰されませんが、これは結果的に警察が問題にしていないだけと考えるべきで、法的にリスクがないわけではありません

  2. (2)「一時の娯楽に供する物」を賭けた場合

    賭博罪の成立要件を厳密にとらえれば、たとえば「じゃんけんで負けたほうがジュースをおごる」といった行為も犯罪になってしまいます。
    ただし、賭博罪には特例が設けられています。
    「一時の娯楽に供する物を賭けた場合」は、賭博罪による処罰を受けません。

    一時の娯楽に供する物とは、たとえば飲食物やその代金のように、すぐに消費するような物だと考えられています。(やや苦しい説明かも知れませんが、前述のように、パチンコが賭博として扱われない理由としては、この「一時の娯楽の供する物」が対象になっているからだという説明がなされています。)
    現金を賭ける場合は、過去には、たとえ賭け金が少額であった場合でも賭博罪が成立するとした判例もあります。(最高裁判所第一小法廷判決 昭和23年10月7日)

    賭博罪の例外や判例に照らしても、やはり現金を賭けるのであれば、賭け麻雀そのものは賭博罪にあたると考えるべきでしょう

  3. (3)問題となるのはレートと実際に動いた金額

    繰り返しになりますが、賭け麻雀は賭博罪にあたる行為です。
    厳密にみれば、たとえ少額でも金銭を賭けた麻雀は賭博となり、賭博罪が適用されます。
    また、麻雀店を利用してたびたび賭け麻雀をしているなどの状況があれば、常習賭博罪が成立することも考えられるでしょう。

    ただし、どんな状況でも「賭け麻雀をすれば重い罪に問われる」とまではいえません。
    実際には、点数当たりの金銭換算を指す「レート」や実際に動いた金額が問題となります。

    麻雀のレートは、1000点あたりをいくらで換算するのかで区別されます。

    • 1000点=100円……テンピン
    • 1000点=50円……テンゴ
    • 1000点=1000円……デカピン


    たとえば、テンピンでは1ゲームで数千円程度、テンゴでは数百円~2000円程度の金額が動きます。
    これがデカピンになると、1ゲームだけで数万円、一晩でもゲームに興じれば勝敗次第で数十万円を得ることがあれば、数十万円の金銭を失うことにもなるわけです。

    友人・知人の間柄や、取引先の接待などのように、主に参加者の親睦を目的とした賭け麻雀は低レートでおこなわれることが多く、厳しく処罰されるケースはまれでしょう。
    しかし、主に金銭のやり取りに重きを置いた高レートの勝負がたびたびおこなわれていると、大金を失った参加者が密告するなどして、捜査の手が伸びて一斉検挙されるおそれがあります

4、賭博罪で逮捕された場合の刑事手続きの流れ

賭博罪で逮捕されると、その後はどのような刑事手続きを受けるのでしょうか?

  1. (1)身柄を拘束されて取り調べを受ける

    警察に逮捕されると、逮捕が執行された時点でただちに身柄が拘束されて自由な行動が制限されます
    警察署の留置場で留置されるため、自宅へ帰ることや会社に通うことは認められません。
    携帯電話も証拠品として差し押さえられるか、あるいは私物として留置担当官に預けることになるため、電話やメール・チャットなどによる連絡もできなくなります。

    警察で取り調べを受けると、逮捕から48時間以内に検察庁へと送致されます。
    さらに、送致を受けた検察官は自らも被疑者を取り調べたうえで、送致から24時間以内に起訴・不起訴を判断しなくてはなりません。

    ところが、逮捕からわずか2日程度しか経過していない段階では、起訴・不起訴という重要な判断を下す材料が十分ではありません。
    そこで、検察官は、さらに身柄拘束を継続して取り調べるために「勾留」を請求します。
    裁判官が勾留を認めると、原則10日間、延長によってさらに10日間の合計20日間を限度に身柄拘束が延長されます。

  2. (2)検察官が起訴・不起訴を判断する

    勾留が満期を迎えるまでに、検察官は再び起訴・不起訴を判断します。
    検察官が「刑事裁判で罪を問うべき」と判断すれば起訴されて被告人となり、刑事裁判への出頭を確保するためにさらに勾留によって身柄拘束が続きます。
    被告人として勾留されると、刑事裁判が結審するまで釈放されません

    一方で、検察官が不起訴と判断した場合は、刑事裁判には移行せず即日で釈放されます。
    刑事裁判は開かれないので、刑罰が科せられることも、前科がつくこともありません。

  3. (3)逮捕・刑罰が不安なら弁護士に相談を

    賭け麻雀は賭博罪にあたる行為であり、原則としては金額の大小を問わず刑罰が科せられます。
    もし、賭け麻雀をしたことが問題となり、捜査の対象となってしまった場合は、ただちに弁護士に相談してサポートを求めましょう

    逮捕や勾留による身柄拘束を避けるためには、逃亡・証拠隠滅のおそれがないことを主張する必要があります。
    定まった住居があり定職に就いていること、捜査機関の求めに応じて任意での取り調べに応じる姿勢があることなどを弁護士がはたらきかけることで、強制捜査が回避される可能性が高まります。
    実際に逮捕されてしまっても、弁護士のサポートを受ければ早期釈放が期待できるでしょう。

    また、厳しい刑罰が科せられないためには、常習性がない、レートも低額で悪質性はないといった主張を、客観的な証拠をもとに展開しなくてはなりません。
    刑事事件の弁護実績が豊富な弁護士に相談すれば、有効な証拠の収集も任せることが可能です。

5、まとめ

ここまで繰り返し説明してきたように、法律の定めに照らせば、賭け麻雀は賭博罪にあたる行為です。
「どこからが違法となるのか」の厳格な線引きの基準は存在せず、たとえ低レートであっても賭博罪の成立は否定されないので、捜査の対象となれば逮捕され、刑罰が科せられてしまうおそれもあります。

とはいえ、賭け麻雀をしたからといって、すべてが厳しく罰せられるともいえません。
主に参加者の親睦を目的としており、賭博としての目的に重きを置いていないケースでは、刑事事件として立件される可能性は高くないでしょう。

賭け麻雀について逮捕や刑罰に不安を感じている方は、ベリーベスト法律事務所 湘南藤沢オフィスにご相談ください。
どのような状況でおこなわれたのか、どの程度の金額が動いたのかなどを詳しく聞いたうえで、刑事事件として立件される可能性や逮捕・刑罰の危険性などのアドバイスを提供します。
すでに刑事事件として捜査の対象となっている場合は、逮捕・刑罰を回避するための弁護活動が必要です。
刑事事件の弁護活動はスピードが命です。ただちにベリーベスト法律事務所 湘南藤沢オフィスまでご一報ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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