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再雇用の拒否や雇止めは不当解雇? 労働者がとれる対応方法とは?

2020年09月04日
  • 不当解雇・退職勧奨
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  • 湘南藤沢
再雇用の拒否や雇止めは不当解雇? 労働者がとれる対応方法とは?

2018年の日本人の平均寿命は女性が87.32歳、男性が81.25歳となっています。今後はますます高齢化が進むと考えられており、「人生100年時代」とも呼ばれるようになりました。

そうなると、問題になるのが高齢者の収入についてですが、厚生労働省の「平成29年就労条件総合調査」によると、95.5%が定年制度を導入しており、60歳を定年とする企業が79.3%になっています。

このような現代社会の状況を背景に、定年後の再雇用が問題になっています。60歳で定年を迎えた際に、再雇用を希望したものの拒否されてしまった場合、労働者としてはどのような対応を取ることができるのでしょうか。ベリーベスト法律事務所 湘南藤沢オフィスの弁護士が解説します。

1、再雇用制度とは?

再雇用制度とは、一般に定年を迎えた労働者が希望した場合に継続雇用する制度、または妊娠・結婚などで一度退職した職員が希望する場合に再度雇用する制度のことをいいます。前者を「定年後再雇用」、後者を単なる「再雇用」と区別する場合もあります。

2013年度の年金法の改正で、男性は1961(昭和36)年4月2日生まれ以降の人、女性は1966(昭和41)年4月2日生まれ以降の人は、年金の支給開始年齢が65歳になりました。多くの企業が60歳定年とする中、年金の支給までに空白の5年間が生まれることから、それを埋め合わせるべく2012年に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が改正され、翌2013年に施行されました。

主な改正の内容は、原則として65歳までの雇用を確保するための措置を講じることを事業主に義務付けるもです。65歳未満の定年を定めている場合には、次のいずれかの措置を講じなければなりません。

  1. ①定年年齢を65歳まで引き上げる
  2. ②希望者全員を65歳まで継続雇用する制度を導入
  3. ③定年制を廃止


①と③は、特に問題になることはありません。問題となるのは、②の継続雇用制度を導入する場合です。

継続雇用制度を導入する場合は、希望者全員を継続雇用しなければなりません。気にいらない社員だからと継続雇用を拒否することは許されません。ただし、雇用期間中も解雇事由に該当すれば解雇できるように、定年時に解雇事由に該当している場合には、継続雇用しないこともできます。

継続雇用制度は、定年に達した労働者を退職させることなく、継続して雇用する「勤務延長制度」と、定年に達した労働者に対し、一度は退職の形をとり、定年後に新たに雇用契約を結ぶ「再雇用制度」に分類されます。

勤務延長制度は、定年に達してもそのまま雇用契約を継続するものなので、労働時間や賃金等の労働条件は変更されないのが一般的です。また、退職金も勤務延長期間が終了するまで支給されないことが多いでしょう。

それに対し、再雇用制度は定年に達した時点で一度退職となるので、退職金が支給され、定年後新たな条件で雇用契約を結ぶことになります。新たに労働時間や賃金等の労働条件を定め、雇用契約期間を1年として更新により満65歳までとするのが一般的です。厚生労働省の「平成29年就労条件総合調査」によると72.2%の企業がこの再雇用制度を導入しています。

2、再雇用に関するトラブル

  1. (1)再雇用の拒否

    これまでも説明してきたとおり、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律により、企業は、定年年齢を65歳とするか、定年制度を無くす場合でない限り、継続雇用制度を導入しなければなりません。そのため、労働者が60歳以降も雇用継続を望んでいるのに、それを拒否することは原則として許されません。

    しかし、会社の中にはこの法律の理解が十分でなく、60歳以降の再雇用は任意と考えている会社も少なくありません。そのため、60歳で定年を迎えた労働者に対して会社が再雇用を拒否するというトラブルが発生することがあります。

  2. (2)再雇用後の契約打ち切り(雇止め)

    定年後に一度は再雇用をしたものの、勤務態度の不良などを理由に雇止めをされるというトラブルもあります。契約期間が1年の場合、1年経過後は新たに契約が締結(更新)されることになりますので、その時点で労働者に問題がある場合には契約を更新しないということもすぐさま違法とはいえないからです。

    しかし、65歳までの雇用継続は会社に課せられた法令上の義務ですので、再雇用をされた社員は65歳までの雇用継続に対する期待を有することになります。労働契約法では、「契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められる」場合には、会社側の再雇用の拒絶が客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と言える場合でない限り更新される旨を定めています(同法19条)。

    したがって、会社が労働契約の更新を拒絶するためには、就業規則等に雇用契約更新の基準が明記されていて当該労働者がその基準に該当しない場合や、就業規則に定める解雇事由に該当する場合など、客観的で合理的な理由があり、更新しないことが社会通念上相当と認められることが必要になります。

3、再雇用の拒否・雇止めは違法か?

  1. (1)再雇用の拒否は違法か?

    前述のとおり、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律により、企業は定年年齢を65歳以上とするか、定年制度を無くす場合でない限り、継続雇用制度を導入しなければなりません。そのため、労働者が60歳以降も雇用継続を望んでいるにもかかわらず、それを拒否することは正当な理由がない限り違法となります。

    この適法性の判断枠組みは、一般的に従業員が解雇される場合と同様です。60歳で定年を迎えた際に会社が正当な理由なく更新拒絶をするということは、不当解雇と同じように考えられているのです。

    他方、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律は会社に対して従業員が65歳まで働ける環境を整備することを義務付けているにすぎません。会社が欠格事由に該当するという理由で再雇用を拒否し、客観的にも欠格事由該当性が認められる場合には、会社が個々の従業員について再雇用を拒否することができます。一方、欠格事由該当性が客観的に認められず、かつ再雇用後の賃金・労働条件が特定できる場合には、会社と労働者の間で黙示の合意があったとみなされます。

  2. (2)再雇用後の契約打ち切り(雇止め)は違法か?

    定年後再雇用した社員の雇止めの可否については、有期労働契約である以上、有期労働契約について定める労働契約法第19条の要件該当性が問題となります。

    労働契約法では、①過去に反復して更新されたことのある有期労働契約であって、その契約期間の満了時に当該労働契約を更新せずに終了させることが期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をして契約を終了させることと社会通念上同視できると認められるか、または、社員が当該有期契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められる場合であって、②当該有期労働契約の契約期間が満了するまでの間に労働者が当該契約の更新の申込みをしたか、または当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをしており、③使用者が当該申込みを拒絶することが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められないときは、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなされる旨、規定されています。

    なお、労働者の更新の申込みは、明示的になされる必要はなく、雇止めされることが判明した時点で遅滞なく異議を述べれば足ります。

    そこで、再雇用後の雇止めについてみると、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律では、会社に65歳までの雇用を義務付けていますので、65歳未満の労働者が更新されると期待することについては原則として合理的な理由があると認められることになります。
    したがって、会社は労働者から継続雇用の希望を受けた場合には原則として雇止めをすることはできません。

    会社が有効に雇止めをするためには、通常の解雇の場合と同様に心身の故障のため業務に堪えられないと認められることや、勤務状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責を果たし得ないこと、職場規律違反や整理解雇の要件を満たす場合などに留まることになるでしょう。

    つまり雇用されている人が解雇されるような場合でない限り、雇止めは許されないということです。労働者が再雇用を希望しているのに使用者が正当な理由なく拒否した場合は、不当解雇として、裁判で争うことも可能です。

  3. (3)労働条件の変更は違法か?

    高年齢者等の雇用の安定等に関する法律は、定年後の再雇用の環境整備に関する義務づけはしていますが、再雇用の際の労働条件については何ら規定していません。したがって、定年後の再雇用の際に、従前と比較して賃金を減額して労働契約を締結することは適法と考えられており、実際にも賃金は減額されることが多いようです。

    しかし、同法の趣旨に反するような条件提示をした場合については債務不履行ないし不法行為が成立する旨判断した裁判例があります。

    たとえば、トヨタ自動車ほか事件(名古屋高判平成28年9月28日)では、「提示した労働条件が無年金・無収入の発生を防ぐという趣旨に照らし、当然容認できないような低額の給与水準であったり、労働者にとって到底受け入れられないような職務内容を提示するなど実質的に雇用継続の機会を与えたと認められない場合においては」、事業者の対応は同法の趣旨に反する旨判示し、雇用契約上の債務不履行ないし、不法行為にあたると判示しました。したがって、あまりにも条件が悪すぎる場合には会社側に対して改善を申し入れることも検討に値します。

    また、ほとんどの企業では定年後の再雇用について期間1年の有期労働契約としています。短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律は、職務の内容及び職務の責任の程度、の内容・配置の変更の範囲が通常の労働者と同じ場合は有期雇用労働者であることを理由に差別的な取扱いをしてはならないと定め(均等待遇、同法9条)、有期雇用労働者と通常の労働者の間で、業務の内容、業務の内容・配置の範囲及びその他の事情を考慮して不合理な待遇差を禁じています(均衡待遇、同法8条)。

    しかし、再雇用後には職務の内容や職務の内容・配置の変更の範囲が、従前の職務態様と異なることが多いので賃金も引き下げられるのが一般的です。労働時間に関しては、短時間勤務とされることもありますが、変わらないケースもあるようです。

    再雇用の場合は、企業側からの労働条件の提示とそれに対する労働者の合意からなり、理論上、新たな労働契約の締結になるため、労働条件を変更しても、それが不合理と認められる労働条件の提示でない限り法的には争いにくいというのが現状です。

    この点については、長澤運輸事件(最判第二小平成30年6月1日判決)というのがあります。この事件は、定年前と業務内容がまったく同じであるのに、定年後賃金だけが大幅に切り下げられるのは不合理ではないかという点が争われました。

    最高裁は、労働者の労働条件は、当時の労働契約法20条所定(現在は、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律8条に相当)の職務の内容、配置の変更のみにより定まるのではなく、使用者において様々な事情を加味して決定される旨述べ、その他の事情として、本件では定年後再雇用の場合長期間の雇用が予定されないこと、定年退職までの間正社員として賃金の支払いを受けてきたこと、一定の要件を満たせば老齢厚生年金の支給を受けることも予定されていることなども考慮して考えられるべきであり、本件においては賃金の低下は不合理とは言えないと判示しました。

    その後、働き方改革に伴い、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律では、同一労働同一賃金が明記されましたので、現在また同様の事件で争われた場合には違う判断がなされる可能性もありますが、当時の判断としては定年前と定年後で賃金に違いが生じても直ちに違法にはならないとされたということです。

4、再雇用の拒否・雇止めへの対応方法

以上のとおり、再雇用の拒否や雇い止めは原則として違法となりますが、会社から再雇用の拒否や雇い止めを言い渡されたときは、労働者はどうすればよいのでしょうか。

まずは、会社が再雇用を拒否した理由を聞く必要があります。そして、その理由が不合理なものであれば、再雇用の拒否は認められないと交渉していくことになります。

また、再雇用後の雇い止めについても、再雇用の拒否と同様、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と言える場合でない限り、更新拒絶は許されないとして交渉していくことになります。

交渉に応じてもらえない場合には、弁護士に依頼をして代わりに会社と交渉してもらうことにより、会社もきちんと話し合いに応じることが多いでしょう。交渉が決裂した場合は、労働審判や裁判の手続きを選択することを検討することになります。弁護士に依頼をすれば、労働審判や裁判の進め方についても弁護士に任せることができますので、安心して手続きを進めることができるでしょう。

5、まとめ

今回は、定年後の再雇用拒否または再雇用後の更新拒絶の法的な性質とそれを受けた場合の対応方法について解説してきました。

基本的には、再雇用拒否も再雇用後の更新拒絶も解雇と同様に考えてよく、正当な解雇事由がない限り会社が自由に決められるものではありません。ただ、個人が一人で会社と交渉するのは大変なことです。不当な扱いを受けた場合には、弁護士に依頼をして解決をはかることを検討するとよいでしょう。

ベリーベスト法律事務所 湘南藤沢オフィスには、労働問題に詳しい弁護士が在籍していますので、再雇用拒否や再雇用後の更新拒絶に納得がいかないという場合には、どうぞお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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