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ペット保険で治療費が支払われないのはなぜ? よくあるトラブルとは?

2020年08月24日
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ペット保険で治療費が支払われないのはなぜ? よくあるトラブルとは?

農林水産省が公表している「令和元年飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数)」によると、神奈川県の動物病院の数は東京に次いで多い1167施設になっています。藤沢市の平成28年度の犬の登録頭数も2万3403頭で、藤沢市の世帯数が平成28年3月時点で約18万人なので約13%の世帯で犬を飼っていることになります。

このように非常に人気の高いペットですが、人間と違い社会保険としての健康保険がないので医療費が高いという問題があります。それを解消するのが「ペット保険」ですが、最近、保険金が支払われないなどのトラブルが発生しています。

今回は、ペット保険に加入する際に気をつけるポイントはどこにあるのか、また、保険金が支払われないことに納得がいかないという場合はどうすればよいのかといったテーマでベリーベスト法律事務所 湘南藤沢オフィスの弁護士が解説します。

1、ペット保険の内容

  1. (1)ペット保険とは?

    ペット保険とは、動物病院の治療費などを補償することを目的とする保険です。動物には、人間とは違い、社会保険としての健康保険のような制度がありません。また、動物病院の治療費は、獣医師が各自で設定することとなっているため、病院によっては料金が高額になることがあります。

    ペット保険に加入すれば、毎月保険料を支払うことで、治療費の一部を補償してくれるので、治療費が高いからと治療をちゅうちょすることなく、安心してペットを動物病院につれていくことができます。医療技術の進歩などにより、ペットも人間と同様高齢化が進んでおり、病気やケガのリスクは高まっており、ペット保険のニーズは高まってきています。

    ペット保険は、保険法上、火災保険や自動車保険と同じ損害保険に分類されます。保険法上、生命保険は「保険契約のうち、保険者が人の生存又は死亡に関し一定の保険給付を行うことを約するもの(傷害疾病定額保険契約に該当するものを除く)をいう。」(保険法第2条第8号)と定義されており、生命保険に該当しないからです。ペット保険の補償対象の種類は主に以下の3つです。

    ①通院での治療
    動物病院に行って治療を受けた場合の補償です。診療費、処置費、処方薬代などの費用の一部が支払われるというのが一般的な内容です。補償割合が高い方が安心ですが、その分保険料も高くなるので、ペットの健康状態も考えてどれくらいの補償割合にすべきなのか検討する必要があります。

    ②入院による治療
    ペットが入院した場合の入院費用を補償するものです。

    ③手術
    ペットが手術を受けた場合の手術費用を補償するものです。

    ペット保険は、損害保険会社だけでなく少額短期保険会社でも販売されています。保険会社によって補償内容が違うため、どの保険に加入するかはよく検討する必要があります。

  2. (2)保険料の決まり方

    保険料は、基本的に①ペットの種類や大きさ、②年齢、③補償割合、④補償範囲などの要素によって決まります。

    たとえば、犬や猫と派虫類では治療方法も異なるため、治療費も異なります。また、大型犬と小型犬では治療の難易度が違ったりするので、こちらも治療費に差が出ます。そのため、ペットの種類や大きさによって保険料が変わるようになっています。

    ペットの年齢が高くなれば、人間と同じで病気やケガのリスクが高くなるので、年齢が上がるにつれて保険料は高くなります。

    実際に支払った治療費のうち、どれくらいの割合が保険金で支払われるかという補償割合については、補償割合が高くなれば保険料が高くなります。

    どの病気まで補償されるのか、何日間補償されるのかなどの補償範囲によっては、補償範囲が広く、補償期間が長いほど保険料は高くなります。

2、ペット保険のトラブルで多いケース5つ

ペット保険の約款には、保険会社が保険金を支払わない場合や保険契約が解除される場合などが定められています。約款などの内容をよく確認していないと予期せぬトラブルになってしまう場合があります。たとえば、次のようなトラブルが生じる可能性があります。

  1. (1)健康状態の悪化によって契約が更新されない

    ペット保険によっては、更新の際、健康状態の確認が必要になる場合があります。この時、慢性疾患を持っていると、保険を更新することができなくなることがあります。

  2. (2)告知義務違反による契約解除

    ペット保険も、人間の生命保険と同様、告知義務が定められていることが多いです。告知すべき事項を告知していないと保険契約が解除される場合があります。

  3. (3)補償外の治療を受けてしまう

    ペット保険は、治療費なら全て支払われるということではなく、補償外の治療もあります。それを知らずに補償外の治療を受けてしまい、後になって保険金が支払われないということがあります。

  4. (4)全額補償されると誤解していた

    ペット保険によっては、治療費の全額が補償されるものもありますが、多くのペット保険は、治療費の一定割合に対してしか保険金が支払われません。治療費の全額が支払われると勘違いしていて、高額な治療を受けてから、一部しか支払われずトラブルになるケースがあります。また、補償割合だけでなく支払限度額が定められているのが一般的です。自分が加入している保険の補償割合や支払限度額がどれくらいなのか確認しておくことが重要です。

  5. (5)待機期間中の治療

    ペット保険には、契約日からの一定期間、その期間中に発生した傷病に対しては保険金が支払われない待機期間が設定されていることが多いです。保険契約の加入前にかかっていた病気の潜伏期間を考慮して待機期間が設定されています。待機期間の長さは保険商品によって異なります。

3、ペット保険のトラブルを避ける方法

ペット保険に関するトラブルを避けるためには補償範囲や補償割合を中心にどのような補償内容なのかをしっかり確認することが大切です。

  1. (1)補償範囲の確認

    補償される治療と補償されない治療を確認することが大切です。多くの保険では、遺伝子疾患及び先天性異常や予防接種のようなものは補償の対象外とされているので、補償範囲を確認した上で加入するか検討しましょう。

  2. (2)補償割合の確認

    治療費の全額が補償されると思っていたのに、一部しか支払われなかったというトラブルを避けるためには、補償割合が治療費のうちの何%なのかを加入時点で確認しておく必要があります。これも、保険料が安いほど、支払われる割合が低くなると考えておくべきでしょう。

  3. (3)告知は正確に

    告知は既往症や傷病歴を正確に記入する必要があります。告知義務違反は補償が受けられなくなるだけなく、契約が解除される場合もあるので、注意が必要です。

4、悪質性が高いと感じたら弁護士相談へ

たとえば、ペット保険に加入するよう勧誘を受けたときには、どんな病気でも補償されるかのように言っておきながら、いざ保険を使おうと思ったら、ほとんどの病気が補償外だった場合など、あまりにも悪質な場合には契約を解除して保険料を返してもらうということも考えられます。

また、保険金を請求したら告知義務違反を理由に一方的に解除されたというような場合も考えられます。実際に虚偽の告知をしたのであれば、契約解除されても仕方ありませんが、そうでない場合には、不当な解除であるとして争うことが可能な場合があります。
納得がいかないような場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

依頼を受けた弁護士は、約款などを調査し、保険金の支払事由に該当するか確認します。その上で、保険金を請求することが可能であると考えれば、保険会社に保険金が支払うよう請求します。保険会社によっては、弁護士からの請求をきっかけとして、再度保険金の支払事由があるか検討し、任意に保険金を支払ってくれる可能性があります。

それでも、保険会社が保険金を支払わない場合には、裁判所を利用した法的手続きなどを検討することになります。法的手続きを利用する場合には、ご本人では難しい場合もあるので、弁護士への相談を検討してみてください。

5、まとめ

今回は、ペット保険の内容とペット保険にまつわるトラブルについて解説してきましたが、保険の内容も複雑化してきており、補償内容を理解することが難しい保険商品もたくさんあります。

特に、動物病院やペットショップから勧められて加入したような場合、保険の中身をよく確認せずに加入してしまったというケースもあるでしょう。トラブルを予防するためには、補償内容や補償割合などが書かれた約款などを確認することが重要です。

もしトラブルに発展してしまった場合には、ベリーベスト法律事務所 湘南藤沢オフィスまでご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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